PFO閉鎖術について
- どの治療法が自分に合っているか、どうすれば分かりますか?
卵円孔開存症 (PFO) と診断され、原因不明の虚血性脳梗塞を発症した場合、脳梗塞再発のリスクがあります。PFOを病因とした脳梗塞のリスクを低減するために、医師はPFOオクルーダーによるPFO閉鎖術を勧めるかもしれません。PFOオクルーダは、世界中で何十万人もの患者の治療に使用されており、多くの大規模な臨床研究によってその効果が証明されています1,2。
- Mas JL, Derumeaux G, Guillon B, et al. Patent foramen ovale closure or anticoagulation vs. antiplatelets after stroke. N Engl J Med. 2017; 377:1011-21.
- Saver JL, Carroll JD, Thaler DE, et al.Long-term outcomes of patent foramen ovale closure or medical therapy after stroke. N Engl J Med.2017;377:1022-32.
- PFO閉鎖術の前は何をしなければなりませんか?
手術の日程を決める際:
服用している薬を医師に伝えてください。各薬剤の投与量も合わせて伝えてください。医師は、手術の前に薬の服用方法を変更するように指示する場合があります。
手術前夜:
手術前夜の深夜12時以降は、飲食をしないように指示される場合があります。飲食や薬の服用については、医師の指示に従ってください。
手術当日:
自分で運転して病院に行かないでください。行きも帰りも誰かに運転してもらってください。ご家族にお願いするのもよいでしょう。
- PFO閉鎖術で行われることは?
まず、気分を落ち着かせるための鎮静剤が投与されます。また、局部麻酔を行います。気分が落ち着いたら、医師が手術を開始します。
医師が小さな切開を行い、鼠径部にカテーテルと呼ばれる管を挿入します。PFOオクルーダーは、カテーテル内を移動します。医師が、カテーテルを体内から心臓まで誘導します。
医師はその後、PFOオクルーダーをPFOを挟むように装着します。心臓画像診断装置により、オクルーダーが正しい位置に装着されていることを医師が確認してから、カテーテルを抜きます。その後、医師がカテーテルを抜きます。オクルーダーは、心臓に装着されたままになります。
およそ2時間、術後室でお休みいただきます。
PFO閉鎖術は開胸手術ではなく、「最小侵襲」手術と考えられています。
- PFO閉塞術の術後はどうなりますか?
24時間以内には帰宅できるとお考えください。帰宅前に、担当医からケアについての説明があります。医師から、以下でご紹介するルーチンを勧められるかもしれません。
手術後1ヶ月間:
- アスピリン (81~325mg) を毎日服用する
- クロピドグレル (75mg) を毎日服用する
手術後最低6ヶ月間:
- アスピリン (81~325mg) を毎日服用する
- 医師が処方する追加の薬を服用する
手術から6ヶ月後:
- 心エコー図検査
継続すべき事柄:
- 定期的に医師の診察を受けてください。
- 出血、痛み、不快感、健康状態の変化などがある場合は、医師に連絡してください。
- 安全のため、またオクルーダーの破損を防ぐために:
- すべての医療関係者に、PFO閉鎖術を受けたことを伝えてください。
- 医療、歯科、MRI (磁気共鳴画像装置) などの画像診断を受ける前に、インプラントについて相談してください。
- 手術後、いつから通常の生活ができますか?
手術後、少なくとも2週間は激しい運動を避けた方がよいでしょう。詳しくは、担当医から説明があります。
- PFOオクルーダーは、特定の場所や状況で問題を起こす場合がありますか?
PFOオクルーダーは、家電製品やセキュリティシステムの影響を受けることはありません。歯科医を含むすべての医師に、PFOオクルーダーを装着していることを伝えてください。医療用画像が必要な場合は、技師にPFOオクルーダーを装着していることを伝えてください。この装置により、医療画像の鮮明度が低下する場合があります。
- 心臓に金属製の器具を装着していることを心配する必要はありますか?
PFOオクルーダーの多くは、ニッケルチタン合金製です。これは、ほとんどの人に安全と考えられます。ニッケルアレルギー、金属アレルギーの方には向かない可能性があります。自分に合った治療法を特定するには、担当医に相談してください。